過去記事でも書きましたが、兄が脳炎で脳幹に損傷を負い、現在も寝たきり入院中(意識はあるけど気管切開して人工呼吸器を付けており話せない、動けない)です。
もう半年以上、ベッドの上に寝かされたまま。
発病して最初の1か月ほどは意識がなかったので、わたしたち家族はひたすら呼びかけ、手や足を摩っていましたが、今は意識があり、多少の首振りや口の動き、↓こんなボードを使ってのちょっとしたコミュニケーションが取れるまでになりました。
と、なると。
きっととてつもなく暇だと思うのです。
腕が動かないので、テレビを付けていても自分でチャンネルを変えることもできませんし、看護師さんが身体を真上やテレビと逆向きに動かしてくれた時(日に何度か、左向き、上向き、右向きと身体を動かしてくれます)は画面を見ることもできません。
スマホなんてもちろんいじれないし、本も読めない。
お世話のために来てくれる看護師さんやリハビリのスタッフさん、時には歯医者さんや理髪師さんが来て声を掛けてくれると思いますが、せいぜい数十分ずつだろうと思いますし、どれも兄にとって嬉しい時間とは限りません。(とりあえずリハビリで触られる肩がかなり痛いようです。)
わたしたち家族は、意識が戻っただけですごくすごく嬉しかったのですが、本人にとっては、もしかしたら意識がある分、今の方が辛いのかもしれない。
痛いところある?
何か持ってきてほしいものある?
いろいろ聞いてみますが、首を横に振るばかりです。
せめて話すことができれば、もしかしたら何か言ってくれるのかもしれませんが。
何か、兄が一人でも操作できて、楽しみになるようなものはないか。
兄が動かせるのは目(瞬き)と口(ある程度”あいうえお”の形に動かせます)、首(上下左右に少し)、手(指をパタパタさせたり、握手するとある程度力を入れることができます)です。
その動かせる部分で、何か使えるものはないか。
そうしてたどり着いたのがこちらのマウスです。
PC以外にもタブレットやスマホとBluetooth接続可能な、指に嵌めて使うリングタイプ、充電式のマウス。こんなのあるんだー!と驚きました。
これでタブレットを操作できないかと考えました。
お値段5千円程度。試しに購入してまずは自分で使ってみました。
時計で言うと円盤の2時の辺りにON/OFFのスイッチがあります。
使ってみると、かなり反応が良く、Bluetoothが途切れてしまうようなこともなくて自分にはとても使いやすかったです。
が、兄に使ってみてもらうと、ポインタ移動のための真ん中の黒いボタンが小さく、健常者ならば無意識にサッサッと指を一瞬離しながらポインタ移動させるところ、兄にはその「一瞬離す」が難しいようでした。
また、指に嵌めてグーの形にして使うのも無理なので(指先は動くのですが、握りこむような動作はできません)、何らかの方法でしっかり固定してあげなければ操作できず、この形状をしっかり何かに固定するのに良い方法が思い付きませんでした。
ということでこちらのマウスは現状の兄には不適合。
(でも普通に使いやすいので自分用には良いと思いました。)
他の形状のマウスを探して、次はこちらを購入してみました。
リング型よりお安く、3千円程度だったと思います。
今度はマイクみたいな形。
こちらはグレーのパッド部分を指先でなぞってポインタ移動、そのままタップすれば左クリック(決定)にるというものです。
最初商品が届いた時は、↓こんな感じで完全中国語の箱に中国語の説明書、箱から取り出したらもう電源入っちゃってるし、おもちゃかっていうくらい軽くて頼りなかったのですが・・

これが思いのほかシンプルで使いやすいように思いました。
グレーの部分を触ると起動し、無操作でしばらく放置するとスリープ。
充電式で(使い方にもよると思いますが)一回の充電で~数日は使えそうです。
これならどうだ!と兄に操作してみてもらったのですが、結論から言うとこのマウスでもうまくいきませんでした。
リングマウスと同じくこちらも握って使うことを想定された形状です。
握ることができないので、転がらないようにタオルに輪ゴムで括り付けてみたのですが、その程度の固定では操作のたびにぐらついてしまってダメでした。
紙粘土みたいなもので型を取ってテープで固定すればなんとかなるかな?と思ったのですが、それ以前に致命的な点として、兄の指先は左右には比較的細かく動かすことができるものの、まだ上下の動きができませんでした。
(先にリング状のマウスを試した時は、ほとんどポインタを動かすことができなかったので、「上下の動きができない」ことに気が付きませんでした。)
タブレットなどの画面上、左右の動きだけでは目的のアプリなどに辿り着くことができず、やはりまだマウスを使ってのタブレット操作は無理か、、、というところです。
諦めきれずもう一種類、上下の動きがしやすそうな形状のものを試してみようと、今度はゲームのリモコンみたいな形のマウスを買ってみました。
1,500円程度とお安く、電池式(単4×2本)です。
これは出っ張りの部分が360度回転するようになっていて、これでポインタ移動できます。
サッサッと表面を滑らせる動きが苦手そうな兄でも、この出っ張りに指を添えてぐーっと動かすことならできるのでは?と考えました。
その前に、これも複雑な形状をしているので何かで固定しないといけません。
ジャストサイズの小物入れを見つけたので、本体の半分ほどをそのケースに差し込み、ポインタ部分が外に出るようにしてなんとか固定はできました。
準備万端!と思い兄に試してもらいましたが、結果はイマイチ。
いろんな方向へ少しずつ動かすことはできるものの、微調整がしにくいようで、狙った位置にポインタを持っていくのが難しそうでした。
加えて、このマウスは決定ボタンがリモコンの先端部分にあり、人差し指をほぼ90度に曲げるようにして押す必要があります。
この動作もまだ兄には難しそうでした。残念。
兄に、「この前のマウス(マイク型)の方が使いやすそう?」と聞いたら頷いたので、もう一度マイク型を試してもらうことに。
前回はタオルに輪ゴムで括り付けただけだったのでグラグラでしたが、今回この形状のものを固定するのに良さそうな小道具を見つけたのでそれとセットで用意してリベンジしてみました。
こんな感じの、壁などに貼り付けて使う杖のホルダーです。
これにマイク型マウスの尻尾の方を嵌めたらけっこうしっかり固定してくれました。
さらにこのホルダーを箱状のものにテープで貼り付けて固定すると、マウスを触ってもぐらぐらしません。
こうすると、前回使ってみてもらった時よりもポインタの移動がスムーズで、課題だった上下の動きも多少、前回よりはできているようでした。
ということで、3つ購入したいろんな形のマウスのうち、とりあえずマイク型を病室に残してしばらく触って練習してみてもらうことにしました。
操作できるようになると良いなぁ。
ちなみに、兄は寝たきりの状態なので、タブレットはこのスタンドで顔の前に来るようにセットしています。
マウス操作はまだ難航していますが、リハビリの一環で「Messay」という目で会話するアプリを使ってコミュニケーションの練習をしてくださっているようで、その際にもタブレットをスタンドで固定した方がやりやすいので、スタンドは活躍しています。
家族がこうなって初めて、こんな文字盤やマウス、アプリが存在することを知りました。
最近iPhoneのiOSがアップデートされて視線で操作できるようにもなりましたし、世の中自分に必要か否かは別として、いろんな技術が考えられてはリリースされ、ボツになってはまた考えられ、と繰り返されているんですね。
ちなみにiPhoneの視線での操作も、これが使えればマウスすらいらないじゃん!と思い試してみましたが、精度は今一歩の感じでした。
(選択したいと思って見つめているアプリとは違うアプリが認識されて起動してしまう、押したいボタンが押せない、の連続でした。)
まだまだ道のりは長そうですが、でもつい先日、手の指先に加えて足のつま先もすこーーーし、動いたんです。
まだ見間違えかも、というレベルですが、目元口元も指先も最初はそうだったので、足もこれから少しずつ動くようになると信じています。
そしてさらに感動したことに、飴を食べたと言うのです!
平日でわたしは立ち会えませんでしたが、呼吸や嚥下のリハビリを始めてくれているようで、その一環として棒のついた飴(ぺこちゃんの懐かしいやつ)を食べさせてくれたそうです。
半年間以上、胃ろうで口からは水一滴すら摂取していなかったので、とても嬉しそうに一生懸命食べていたと母から聞き感激しました。
人工呼吸器を付けていて鼻に息が行かないので風味はわからないようですが、舌で甘味は感じ取ることができるようです。
無事唾液を飲み込むことができたそうで、こちらもまた少しずつ良くなるように祈っています。
がんばれ、お兄ちゃん。





