ろくログ

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【ブックレビュー】原田マハ:「楽園のカンヴァス」

 

taknalで「暗幕のゲルニカ」に出会って

「奇跡の人」で原田マハさんの小説好きだ」と確信し

このブログのコメントで「おすすめ」と教えていたたいて

今回読んだのは原田マハさんの「楽園のカンヴァス」です。

 

(教えてくださった方、本当にありがとうございました。)

 

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こちらもあらすじなどは確認せずに読み始めました。

 

読み始めてすぐに「暗幕のゲルニカ」に通ずるものがあるとわかりましたが、

それもそのはず、「暗幕のゲルニカ」が2016年の作品なのに対し

こちらの「楽園のカンヴァス」は2012年の作品で、

「暗幕のゲルニカ」のモチーフである「ゲルニカ」の作者、

ピカソに影響を与えたとされるアンリ・ルソーの作、

「夢」をモチーフとした小説でした。

 

 

この「楽園のカンヴァス」は原田マハさんの代表作のようで、

順番的に本当は「楽園のカンヴァス」を読んでから

「暗幕のゲルニカ」を読んだ方が良かったのかもしれません。

 

とは言えこの2作は通ずるものこそあれどまったく違った物語で

それぞれにその世界を楽しむことができました。

 

 

美術に疎い私はアンリ・ルソーも「夢」という作品も知らなかったのですが、

「暗幕のゲルニカ」同様、どこまでが史実で

どこからが原田マハさんの物語なのかわからない、

見事に過去と現在を繋げる展開は、ルソーも「夢」も知らなくても

次のページを捲るのをやめられない面白さでした。

 

 

こういう画家がいたこと、

どんな人生を歩んだどんな人で、

その画家がどんな時代を生き

どんな人物と関わって、

そして生み出した作品が

今現代にどういう形で残されているのか、

 

その作品が大切に残されている今を生きるわたしも

例えばこんな風に原田マハさんの小説を通じて

その作品にほんの少し触れ、繋がることができる、

 

そんなある種のミラクルを体験させてくれる小説です。

 

 

 

どんな世界、分野にも歴史や物語がありますが

原田マハさんの小説を通じて触れる美術の世界は

"俄か美術ファン"になってしまいそうなほどの面白さや感動があります。

 

 

「暗幕のゲルニカ」を読んだ後にも思いましたが、

今すごく美術館に行きたい、行って胸に響く作品があれば

その作者のことをよく知ってみたいと思っています。

 

 

 

さて、今回読めなかった感じが2つありました。

 

 

ひとつは、【蒐集】

読みは"しゅうしゅう"で、意味は"収集"と同じ。

同じなら"収集"で良いのでは…

 

 

もうひとうは、【耳朶】

"じだ"と読み仮名が振られていました。

みみたぶ以外に、こんな読み方をすることを初めて知りました。

 

 

 

さて次は何を読もうかな。

 

もしおすすめの本があったら教えていただけるととっても嬉しいです。