ろくログ

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原田マハ:「本日は、お日柄もよく」を読みました。

 

「暗幕のゲルニカ」を読んでから、すっかり原田マハさんの小説が大好きになりました。

 

今回読んだのはわたしにとって6作目の原田さんの小説、「本日は、お日柄もよく」です。

 

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今まで読んだ5作のうち3作は美術作品や画家を題材とした小説でしたが、今回の題材はスピーチライター

 

こんなあらすじです。

 

二ノ宮こと葉は、製菓会社の総務部に勤める普通のOL。他人の結婚式に出るたびに、「人並みな幸せが、この先自分に訪れることがあるのだろうか」と、気が滅入る27歳だ。けれど、今日は気が滅入るどころの話じゃない。なんと、密かに片思いしていた幼なじみ・今川厚志の結婚披露宴だった。ところが、そこですばらしいスピーチに出会い、思わず感動、涙する。伝説のスピーチライター・久遠久美の祝辞だった。衝撃を受けたこと葉は、久美に弟子入りすることになるが…。

 

 

スピーチライターが題材とあって、スピーチの場面が多く登場する小説。

 

そのどれもが、無関係の自分の心にまで響く、響く

 

自分も友人の結婚式で何度かスピーチをした経験があり、その時話したことを思い出して恥ずかしくなったり、もっと話すべきことがあったと今更ちょっと後悔したり、それでも一生懸命友人のことを思って話したと自負してみたり。

 

まるで自分も披露宴の親しい列席者としてスピーチを聞いているかのように、胸が熱くなってたまらず、各所で何度も涙しました。

 

スピーチって、人の心に届かなければまったく意味をなさなくて、でもきちんと届けば人の心を動かす力があって、言葉の力、伝え方の大切さを読み進めるほどに感じました。

 

 

言葉がとても綺麗で、小難しい言い回しをしないので読みやすく すとん、すとん と心に落ちてくる。

 

日本語、大好きだなぁと思いました。

 

 

 

登場人物もひとりひとりがなんだか愛おしく感じてしまうナイスキャラ揃いで、マスクで隠れてるから良いものの、電車の中でニコニコしながら読んでぷっと吹き出したりして・・たと思えばたーっと涙流れるみたいな、読みやすいだけに表情もころころ変わってしまう本でした。

 

 

心に響く言葉に溢れていて、買って手元に置いておきたい、また読み直したいと思う1冊です。