ろくログ

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町田そのこ:「宙ごはん」を読みました。

 

「52ヘルツのクジラたち」を読んで他の作品も読んでみたくなり、今回読んだのは町田そのこさんの「宙ごはん」です。

 

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町田そのこさんの作品、というだけで選んだので、あらすじなどはまったく知らず、”宙(そら)”が人の名前だということも読み始めてから判明しました。

 

そんな「宙ごはん」のあらすじはこんな内容です。

 

【2023年本屋大賞ノミネート作】
この物語は、あなたの人生を支えてくれる

宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった。
宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづけた。
全国の書店員さん大絶賛! どこまでも温かく、やさしいやさしい希望の物語。

 

 

 

「52ヘルツのクジラたち」もそうだったのですが、歪な家族の中で暮らす主人公や主人公が出会う人たち、そしてそういう少し複雑な環境で苦しんだり悩んだりする人のそばで彼らを励まし導いてくれるとてもあたたかな人たち、そういう人と人との出会いや関わり、それぞれの愛が描かれた物語でした。

 

本作は「宙”ごはん”」とタイトルにある通り、主人公・宙の成長を軸にしながら、それぞれの時に出会う人たちとの心の関わり合いを通して宙が励まされるとき、逆に誰かを励ますとき、疲れた心を癒すとき、そういう場面にいつもあたあかな”ごはん”があります。

 

不倫、大切な人との別れや死、うまく愛せない・愛されない家族、大切な人を死に追いやった相手の家族との関わり。

 

”これが正解”という明確なものがない中で、それぞれになんとか落としどころを見つけて前に進んでいく時に背中をそっと押してくれるのがあたたかなごはんでした。

 

 

わたしには宙たちのように誰かを癒して励ましてあげるような力はないし、今のところそんな必要がありそうな人も周りにはいないですけど、もし、必要な時が来たら、何か自分にもできるだろうか、できるといいな、そんなふうに心をあたためてくれる作品だと思います。

 

 

町田そのこさん、やはりとても読みやすい本でした。

また他の作品も読んでみたいです。