X(旧:Twitter)で「はてしない物語はハードカバーの装丁に秘密がある」的なポストが流れてきまして、なぜかそれが目に止まりました。
「はてしない物語」・・・「ネバーエンディングストーリー」と言うと、子供の頃に映画の宣伝?か何か、子供と白い大きな動物みたいなもののツーショット映像だけがやけに記憶に残っていますが、はて、どういうストーリーなのかそういえば全然知りません。
映画しか存在を知りませんでしたが、原作は小説だったんですね。
児童向けファンタジー小説ではありますが、装丁が気になって図書館で探してみたらありました。
ミヒャエル・エンデ作、上田真面子・佐藤真理子訳の「はてしない物語」。
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ネット予約したので実物を受け取ったら分厚くて重くてびっくり。
ハリーポッターシリーズのハードカバーくらいあります。
そして、図書館で借りる本はいつもカバーが外れないようにビニールコーティングされているのですが、この本はカバーを外した状態でコーティングされていました。
てっきりカバーに秘密があるんだと思い楽しみにしていたんですけど、受け取った本は一見無地でちょっとがっかり。
が、これは敢えてカバーを外してコーティングされていたんだと、本を読み始めて気が付きました。
そして、読み終えてネットで検索してさらに気づいたことには、そもそもこの本の本体にはペーパーカバーはなく、その代わりにボックスタイプのカバーになっているようです。
著者は本体の装丁にもこだわる方だそうで、岩波書店がそれを忠実に再現。
特注のために3,000円を超えるとのことで、特別感のある本です。
読み始めると、装丁だけでなく文章の文字も特殊で、章ごとに挿絵があり、描かれている世界を文字の色で区別していることがわかりました。
写真ではわかりにくいですが、こんな感じで”あかがね色”と緑色で書き分けられています。
”あかがね色”って初めて聞きましたが、本の装丁の色も”あかがね色”だそうです。
ファンタジー小説を読むのは久しぶりで、人間ではない生き物がわんさか登場する物語はその生き物の特徴を読むだけで情報過多で頭がパンクしそうになりますが、そんな感じも久しぶりで面白かったです。
児童向けと言いつつ、主人公が少しずつ欲に塗れて自分を見失って暴走し、良き友や出会いのおかげで少しずつ本当に大切なものが何かに気づき自分を取り戻していくストーリーは大人が読んでも感じ入るものがあると思いました。
分厚くて持ち歩きができなかったので読むのにだいぶ時間がかかってしまいましたが、たまには人間界を遠く離れた世界の物語に没頭するのも良いなと思いました。