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【ブックレビュー】瀬尾まいこ:「夜明けのすべて」

 

以前読んだ「そして、バトンは渡された」がとても好きなお話だったので、他の作品も読んでみたくて今回選んだのは瀬尾まいこさんの「夜明けのすべて」です。

 

表紙は「そして、バトンは渡された」と同じ方のイラストでしょうか。

シンプルながら目を引く原色使いで印象に残ります。

 

夜明けのすべて

 

 

 

「そして、バトンは渡された」は映画化もされたようなのでご存じの方も多いかと思いますが、今回の「夜明けのすべて」も、その辺に居そうで居ないような、居なそうで居そうなような、少し特徴的な人物が登場していて、それが一般的な”魅力的”とは違っていてもなんだかぐいぐい引き込まれてしまう、瀬尾さんの作品にはそんな印象を受けます。

 

 

「夜明けのすべて」のあらすじはこんな感じ。

 

知ってる? 夜明けの直前が、一番暗いって。

職場の人たちの理解に助けられながらも、月に一度のPMS(月経前症候群)でイライラが抑えられない美紗は、やる気がないように見える、転職してきたばかりの山添君に当たってしまう。
山添君は、パニック障害になり、生きがいも気力も失っていた。
互いに友情も恋も感じてないけれど、おせっかい者同士の二人は、自分の病気は治せなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる――。

人生は思っていたより厳しいけれど、救いだってそこら中にある。
暗闇に光が差し込む、温かな物語。

本屋大賞受賞後第一作。渾身の書き下ろし。

 

 

 

すごく大きな事件も、ハッとする展開も、熱い感動も特にないのですが、淡々と面白くて、あらすじにある通り読み終えるとなんだか一筋光が差して見えるような、温かい気持ちになる作品でした。

 

そういえば職場の上司が「そして、バトンは渡された」を読んで「温かい気持ちになりました」と感想を書いていて、わたしも同作を読んだときとっても温かい気持ちになったのを思い出しました。

 

まだ瀬尾さんの作品を2作しか読んでいないので、”作風”とまとめてしまって良いものかわかりませんが、とりあえず2作とも読んで心の良い本でした。

 

 

さくっと読めるボリュームでもありますので、重たい本を読みたくない時、あまり何も考えずにただ読書を楽しみたい時におすすめかなと思いました。

 

 

 

 

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