借りる本を決めずに図書館に行って、どれにしようかなーと棚を眺めていて目に留まったこちらの本。
もうだいぶ前ですが、本屋さんで目立つところにピックアップされていて、「今度読んでみよう」と思っていたことを思い出し、借りてきました。
川口俊和さんの、「コーヒーが冷めないうちに」です。
- 価格: 1430 円
- 楽天で詳細を見る
川口俊和さんの本はこれが初めて、と思い確認したら、川口さんは脚本家兼演出家で、この本が小説デビュー作だったんですね。
当時、本屋さんで手に取った時に読んだ帯のあらすじがうっすら記憶に残っていました。
お願いします、あの日に戻らせてください。
「ここに来れば、過去に戻れるって、ほんとうですか?」
不思議なうわさのある喫茶店フニクリフニクラを訪れた4人の女性たちが紡ぐ、家族と、愛と、後悔の物語。
ー4回泣けます
”過去に戻れる”、ファンタジックなお話しだろうと見当づけて読みましたが、ドラマチックではあるもののそんなにファンタジー感はなく、むしろリアリティがあって違和感を感じることなく物語に入り込めました。
過去に戻れる、けれどそこには細かなルールがあって、戻れたからってどうにもならないことばかり。
それでもやっぱり過去に戻りたいと願った4人の物語。
現実はどうにもならなくても、大切な事実に触れることでその後の未来を生きる心が変わる、その様子が静かに描写されていて、派手さはないけれどあたたかな感動に包まれました。
映画化もされているようで、これは確かに映画で観るのも良さそうだなぁと思いました。
「この嘘がばれないうちに」、「思い出が消えないうちに」、「さよならも言えないうちに」とシリーズ化されているようなので、他の作品も読んでみたいと思います。