凪良ゆう さんの「汝、星のごとく」を読みました。
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凪良さんの本を読むのは「流浪の月」に続き2作目です。
「流浪の月」は2020年、「汝、星のごとく」は2023年の 本屋大賞受賞作 のようです。
「流浪の月」の時も感じたのですが、凪良さんの作品は人の内面の描き方がものすごく リアル で、作中の登場人物が作中だけの創造の人と思えません。
登場人物たちが愛おしいとか好ましいとか、展開が微笑ましいとか感動的とかではなく、とにかくリアル。
どちらの作品も登場人物たちは普通の恋人同士や普通の家族という関係ではなく、拗れたり縺れたりしていていわゆる”普通”ではない、一見身近では見聞きしない関係性の中で藻掻いている人たちなのですが、そんな彼らの言葉が、一見”普通”のわたしにとてもリアルにまっすぐに響きます。
「汝、星のごとく」はただ優しくあたたかく綺麗なだけではない様々な愛が描かれています。
何が正しくて、どうすべきで、でも実はどうしたいと思っているのか、自分に置き換えて考えてしまいました。
あらすじはこんな内容です。
その愛は、あまりにも切ない。
正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。
ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。
普段の生活でも、本を読んだり映画やドラマを見た時でも、他の誰かの生活や生き方に触れた時にはつい自分と比べてしまって、わたしの場合はいつも独身であることの肩身の狭さみたいなものを感じます。
そういう自分を、自分の生き方を、肯定も否定もせずに「自分で選んで自分で生きろ」と言われた気がしました。
ー自分を縛る鎖は自分で選ぶ。
結婚してもしなくても、仕事をしてもしなくても、子供がいてもいなくても、自由で居続けること。自由を手に入れても、人はなにかに属しているということ。
ー自分で自分を養える、それは人が生きていく上での最低限の武器です。結婚や出産という環境の変化に伴って一時的にしまってもいい。でもいつでも取り出せるよう、メンテはしておくべきでしょうね。いざとなれば闘える。どこにでも飛び立てる。独身だろうが結婚していようが、その準備があるかないかで人生がちがってきます。