先日読んだ「百年の子」の中で 佐野美津男 さんの「浮浪児の栄光」が登場していて、戦争で家族を失った子供たちがその後どんな暮らしをしていたのか知りたくなり読んでみました。
子供の頃夏休みにはよく「はだしのゲン」をテレビで見ていたので、戦争で親を失った子供がどんなに苦しい思いをしたのか朧げには知っているつもりでしたが、その苦しみは一時では終わらず、その後何年も続いていたということ、ゲンのような、佐野さんのような子は一人二人じゃなく、”浮浪児”などという今で考えれば不適切極まりない呼び名まで通用するほどだったこと、悲しくて不憫でなりませんでした。
当時彼らの界隈で使われていた独特な表現が多く登場するので正確な意味がわからなかったところもありましたが、まだ10代の子供たちが犯罪や危険、飢餓や病気と隣り合わせ、というより並走するような生き方をしていたことがショックでした。
戦後約80年、日本ではもう戦争の影響を日々に見聞きすることはなくなりましたが、世界のどこかでは同じような子供たちがいて、日本だって、戦争の影響でなく別の事情から同じように苦しんでいる子がたくさんいて、人間はいつまで過ちを繰り返していくのかなぁと切なく思いました。
そう思いつつも、自分に何ができるのかと言ったら何もなく。
ただ平和を願うばかりです。